都紀女加王墓前バス停で待つ。

長崎生まれ佐賀育ち 中高福岡大阪在住 完全趣味の自己満足ブログ。 @tsukimecha

日本神話学 外伝 天叢雲剣

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天皇陛下御即位で雨降ったり晴れたりで急にトレンド入りした天叢雲剣。別名草薙剣。流行に乗っかって今回はこの霊剣の経緯を話します。

 

天皇が代々受け継ぐ三種の神器の1つ、天叢雲剣は最初三貴神スサノオが手に入れたもの。スサノオといえば出雲のヤマタノオロチ退治が有名だけど、そのヤマタノオロチを退治して尾から出てきたのがこの天叢雲剣。その後これをアマテラスに献上した。

 

ち・な・み・にスサノオはなんで出雲=地上にいたのかというと、もとは高天原にいたんだけどそこで暴れた結果姉のアマテラスが病んで岩の中にかくれちゃった。太陽神アマテラスが隠れたせいで陽は登らず世界は荒れ始める。そこで神々は知恵を絞りアマテラスを救出しスサノオ高天原から追放(天岩戸伝説)。結果地上に降り立つことになった。だから、天叢雲剣献上はこれまでのお詫びという形もある。

 

その後ニニギによる天孫降臨の際共に高天の原から地上に降り立ち、再度日本上陸。

 

この天叢雲剣は霊剣だから見えない力こそが本体だと言える。でも、とりあえず依り憑く形代が必要ってことで第10代崇神天皇の時に形代が作られ宮中に収められた。これが今に伝わる三種の神器

 

ち・な・み・にこの崇神天皇はハツクニシラス天皇=初国治らす天皇とも呼ばれ、事実上の初代天皇とも言われている。まぁ神武天皇もハツクニシラス天皇って呼ぶんだけどね。

 

宮中にある形代の一方、本体の方はヤマトタケルの西方遠征の際に一緒に亡くなってしまう。それを祀ってできたのが熱田神宮。この西方遠征の際にヤマトタケルが草原の中火に囲まれた時、この剣で草を刈って難を逃れた話が草薙剣と呼ぶ語源。

 

形代も壇ノ浦の戦いの際に関門海峡に水没。時の第81代安徳天皇平清盛の孫であり平氏の血が流れていたから源氏に対する最後の武器だった。剣以外は海中から探し出したけど、剣は見つからなかった。源義経はそれを鎌倉の頼朝に伝えたら頼朝は激おこだったらしい。

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そこで代用品が作られて、150年後の南北朝時代では第96代後醍醐天皇三種の神器南朝に持ち逃げした。その後北朝が優勢になり、圧力に屈した後醍醐天皇三種の神器北朝に渡し光厳天皇が即位。しかし実はこの時渡した三種の神器は偽物で、本物はしっかり南朝側が隠し持ってた。だから南北朝合一は北朝側に統一されたんだけど、天皇の代は南朝側で数える。光厳天皇は第97代ではなく北朝1代。

 

今まで何度か盗難にもあったけどここまで続いてる伝統はそうそう無いんじゃないかな。

 

※諸説あり