都紀女加王墓前バス停で待つ。

長崎生まれ佐賀育ち 中高福岡大阪在住 完全趣味の自己満足ブログ。 @tsukimecha

エヴァ学 第10講

第1講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/10/22/174219

 


第2講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/10/25/133556

 


第3講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/10/29/210836

 


第4講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/11/09/214328

 


第5講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/11/15/230826

 


第6講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2018/11/30/233549

 


第7講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2019/01/11/200806

 


第8講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2019/02/15/190247

 


第9講→https://tsuki-mecha.hatenablog.com/entry/2019/04/05/191413

 

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「待っていたよ、シンジ君。」

 


いや〜1年以上ぶりのこのシリーズですね。女性に嫌われるタイプだとリツコに言われそうですが。

 


ちょうど10講目ってことで、そろそろまとめようかなと思いました。暇なので。

 


「結局このアニメは何なの?」と聞かれたら、私は「多感なる思春期の少年の人類を巻き込んだ成長劇」と答えますかね。

 


もともと主人公碇シンジは、ネルフに来る前から「空っぽ」だった。漫画版第1話に「いつ死んでもいいみたいなことを作文で書いて先生に怒られた」みたいな事を言っていたのが象徴的(漫画は持ってないので記憶違いあるかも)。思春期のあるあるですね。


ネルフに来て、忌むべき父親と会い、エヴァ初号機パイロットなる事を決める。シンジにはそこしか居場所がないからです。そこでは、初号機パイロットとして他者から求められているという充足感を得られます。

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そこで新たな友人もでき、しばらくはシンジの心も安定します。しかし、ここで大きな亀裂を入れたのがこいつ。

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第16話、「死に至る病、そして」に出てくる第12使徒レリエル

こいつは私の1番大好きな使徒であり、物語の大きな転換を与えた存在とも言えます。


レリエルの中に取り込まれたシンジは聞こえてくる別の自分の声と問いかけます。「他者から見られている自分について」「人に嫌われるのが怖い自分について」などなど。この聞こえてくる自分の声はレリエルそのもの。そう、レリエルは人の心に迫った初めての使徒。知恵の実を持たないアダムより生まれし存在が、人類に対する最強の攻撃とも言える精神攻撃を仕掛けてきたのです。

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ここから再び「デストルドー」が始まります。デストルドーとはリビドーの反対。絶望感や死への欲求になります。この先、友人の鈴原トウジをボコボコにしてしまい(漫画版では死亡)、一度完全に事切れますが加持リョウジの言葉に助けられ再びエヴァに搭乗。こうした周りの人達の存在が密かにシンジの心を強くしていっているのです。

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第24話では心許せる友人であった渚カヲルをその手で握り殺します。

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ちょっと話は逸れますが、これにはゼーレの思惑もありました。きっとこの時点で初号機を依代としたサードインパクト、その先の人類補完計画を計画していたのだと思います。それには、初号機の魂たる碇シンジサードインパクトの際に全人類の消滅を望む必要がありました。なので、わざとシンジ自身にデストルドー=絶望を味わってもらう必要があったのです。

 


キールエヴァ初号機による遂行を願うぞ(シンジ自身に大事な友人であるカヲルを殺させる)」

 


ここが1番象徴的。

 


こうやって碇シンジは人為的にもデストルドーを発現させられ、旧劇では廃人同然になっています。そら無理もないでしょう。よく「シンジが弱々しくて無理」という意見を聞きますが、こんな事させられて元気でいる方がおかしいと思います。

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でも、そんな状況のシンジも死ぬ間際のミサトの話と「大人のキス」によってまた立ち上がります。この大人のキス、ものすごく重要なんです。これは性欲につながり、以前書いたように性欲=生欲=生きる欲求=リビドーなので、デストルドーを少しでも鎮める大きな意味を持ったんじゃないかと思います。

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サードインパクトが始まった後、戻ってきたロンギヌスの槍によって発現したアンチA.T.フィールドによって一時的に全人類は消滅します。でも、最後は「母親」と話したあと、

 


「僕はもう一度(他人に)会いたいと思った。その時の気持ちは、本当だと思うから。」

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という決断をし、全人類は再び元に戻ります。ここのセリフはいつ聞いても涙が込み上げる。ネルフに来て、色々な人と関わり自分を見つめながら彼は成長しました。最後はリビドーを得て人類を救う。これ以上ないハッピーエンドでしょう。母親の消滅も、加持リョウジの言葉も、渚カヲルの死も、ミサトの死も、全てがシンジによって無駄にならず実った。あぁ、いいアニメだ。

 


最後に、この物語の伝えたい一番のメッセージ(だと思っている)ものを書き出します。これは、碇ユイの言葉です。

 


「生きていこうとさえ思えば、どこだって天国になるわ。だって、生きているんですもの。幸せになるチャンスはどこにでもあるわ。」

 

 

 

さよなら、母さん