都紀女加王墓前バス停で待つ。

長崎生まれ佐賀育ち 中高福岡大阪在住 完全趣味の自己満足ブログ。 @tsukimecha

進撃のトリトン

 

手塚治虫氏の作品の一つである「海のトリトン」を知っていますでしょうか。漫画版とアニメ版があるのですが実はこの2つ、全く違う背景になってるんです。

 

まずは漫画版。とある岬に捨てられていた赤子を和也という男が拾い一緒の家族として暮らす。その赤子はトリトンと名付けられた。人間離れしたその体質から人間ではないことが判明し、実はトリトン族の生き残りだということが分かる。トリトンは成長して海へと帰り、トリトン族を滅ぼしてきた海の支配者ポセイドン族に挑みながら最後は同士討ち?をして物語は幕を閉じる。

一般的な王道バトルものって感じ。

 

一方のアニメ版。

 

トリトン族の生き残りがポセイドン族に挑むという大方のストーリーは漫画版と同じ。しかし、こちらでは漫画版に出てこない「オリハルコンの短剣」がキーとなっている。最終話、トリトンはポセイドン族を束ねるポセイドンの本拠地へと向かった。

ポセイドンの正体は大きな神像だった。神像は言った。「そのオリハルコンの短剣を収めてくれ。その短剣はお前が知らない恐ろしいパワーがあるのだ」トリトンは敵の言う言葉など聞かない。神像はオリハルコンの短剣の光に導かれ、苦しみながらポセイドン族が密かに暮らしていた地底世界を自ら壊滅させる。驚いたトリトンオリハルコンの短剣を鞘に収める。その後、側にあった法螺貝からトリトン族とポセイドン族の真実が話される。

 

「かつて、アトランティス人はオリハルコンエネルギーを用いて高度な文明を築き、アトランティス大陸で猛威を振るった。このエネルギーの源の象徴としてこの神像をつくった。この神像を作る際にとある奴隷民族の大量の人数を人身供物として捧げた。その民族がポセイドン族であった。

生贄から逃れたポセイドン族の一部はその神像の持つオリハルコンエネルギー(同じポセイドン族の犠牲によって作られた像のためにこれを守ろうとしたと考えられる)のおかけで生き残り、力を得る。彼らは団結しアトランティス大陸を滅ぼす。

だが、アトランティス人は大陸が沈む直前に、神像に打ち勝つマイナスのエネルギーを持つオリハルコンの短剣を作り出す。そして、アトランティス人のわずかな生き残りがトリトン族としてオリハルコンの短剣を伝承していった。

長い年月が流れた。ポセイドン族はオリハルコンの短剣を恐れていたため海の中でも悠々と暮らすことはできず、海底のそのまた下にある地底世界に引きこもって暮らしていた。トリトン族の持つオリハルコンの短剣の凄まじいパワーはトリトン族の中でも忘れ去られ、また触れてはいけないものとして認識されていた(第8話、呪われたオリハルコンの剣!)。

ポセイドン族はこの恐怖を排除して海でゆっくり暮らしたいと考え、オリハルコンの短剣を奪い取ろうと画策。これによりトリトン族の生き残りが駆逐されていった。トリトンオリハルコンの短剣の真の力を知らないままに用い、ポセイドン族を逆襲し壊滅させた。我々はただ静かに暮らしたかっただけなのだ…。」


トリトンは困惑するも、最後は神像に短剣を突き刺し、ポセイドン族と地底世界は完全に滅亡する。神像のエネルギーが放出され海底火山が噴火する中トリトンは脱出し物語は幕を閉じる。

 

なんともまぁ後味が悪いというか難しいというか…。子供向けアニメの内容としてどうなの?と思いますが私はこういうの好きです。

 

んで、これって進撃の巨人のストーリーにも似てるんですよね。アトランティスがエルディア、トリトン族がパラディ島、ポセイドン族がマーレ。主人公のトリトンはエレンイェーガー。オリハルコンの短剣は始祖の巨人。

 

エルディアによるマーレ弾圧の歴史とアトランティス人のポセイドン族生贄。

母を殺され憎しみで立ち上がるエレンは家族をポセイドン族に殺されたトリトンと同じ。

マーレによるウォールマリア襲撃=始祖奪回作戦はポセイドン族がオリハルコンの短剣を奪い取ろうとしたのと同じ。

エレンイェーガーが「平和への簒奪者」となっていくのもトリトンがポセイドン族を滅ぼしたのと同じ。などなど。

 

世界の真相があとでわかる的なストーリーめちゃ面白いですよね。どんでん返し。進撃の巨人も、序盤は始祖の巨人による記憶の改竄で読者までが洗脳されてたわけで、今なお判明してる世界の歴史ももしかしたらジークの言った通りグリシャイェーガーによる洗脳なのかもしれないし。結局グリシャが残した手記の内容を鵜呑みにしてるだけなので何も本当かはわからない。エレンクルーガーも疑問を呈してましたしね。

あと1巻で終わるらしいですがどうなるか見ものです。