君たちは日本神話とどう生きるか
「君たちはどう生きるか」見てきました。千と千尋に近いかな?という印象。今回も宮﨑駿作品ならではの日本神話メタファーが至る所にあったので、いくつか紹介。あくまで個人的な見解です。
■母方家系
大叔父様→綿津見大神(海神)
ヒミ(マヒトの母)→豊玉姫、綿津見大神の娘
マヒト→鸕鷀草葺不合尊(豊玉姫の娘、玉依姫の妻、初代神武天皇の父)
産屋を除くのはタブーとされた。神武天皇の祖父にあたる火遠理命は妻(豊玉姫)の出産の際に「産屋を覗くな」と言ったのにも関わらず覗き見。すると豊玉姫はワニの姿になって出産していた。
それを恥じた豊玉姫は出産後綿津見のいる海へと帰る(マヒト母の死)。しかしその後妹である玉依姫を遣わし、子である鸕鷀草葺不合尊を養わせた(父のナツコとの再婚)。古事記では後に鸕鷀草葺不合尊と玉依姫は結婚し、2柱の子が初代神武天皇となる。
■青鷺に誘われマヒトとキリコが沈んだ世界
→根堅国
葦原中国(地上)の下にあると言われている世界。黄泉国ほど下には無く、その間で葦原中国を支えているとされる。古事記では大己貴神(後の大国主神)が須佐之男命を訪れる際に出てくる。「死者と生者が混在している」的なキリコのセリフや、海の中に木の根っこの描写がかなり多かったことからそうなのかなぁと。
その他にも世界の境界線→黄泉比良坂、青鷺と矢→天若日子と天羽々矢、インコ→黄泉軍とか。別の物語のメタファーとかもあった気がする。またゆっくり見返したいね。